武蔵野美術大学競技ダンス部お楽しみページ“まうまう”
Presents

01.                   MAUMAU-TALK

 

2003.02

諸田勝春×治面地良和


治面地良和
Yoshikazu JIMENJI

1974年岐阜県生まれ。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒。時計デザイナーとして国内外のからくりモニュメント時計デザインを担当する傍ら、アマチュア競技ダンサーとしても活躍。まうまうHP管理人も務める。現在新たな企画を模索中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*中ってる...(あたってる)と読みます。別に「当たっている」でもいいけど、英語の「Fit」に近い語感です。(by諸田氏) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

*Ego wrappin'...中納良恵と森雅樹によるユニット。戦前のジャズから自然に行き着いたキャバレー音楽や昭和歌謡を消化。いまや音楽シーンでもっとも注目を集めているアーティスト。

 

*クラムボン...原田郁子、ミト、ダイスケの3人組ユニット。ピアノ、ベース、ドラムという珍しい構成から放たれる洗練されたスタイリッシュでスウィートな楽曲に、独特な原田郁子のボーカルがはじけ、香り高い密室型ポップ・ミュージックを作り出す。

 

*Paris Match...アンニュイなヴォーカルのミズノマリ、クラブDJの古澤大、杉山洋介という3人で編成されたユニット。ポップなメロディとボサノヴァ主体の軽いグルーヴを組み合わせ、カフェの芳しい香り漂うお洒落空間を演出。目の前をゆっくりと流れていく時間を、ボーっと眺めていたい人にお薦め。  

*Orange Peko...ナガシマトモコと藤本一馬による二人組のユニット。クラブジャズのエッセンスをベースに、スウィング、ボサノヴァ、サンバ、ビッグバンド風の楽曲までを取り込み、親しみやすい新感覚のポップワールドを展開。人肌の温もりを感じるウォーミーで心地好いサウンドを届ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内輪でも構わない!

治面地(以下、治):どうもどうも、そんなわけで新企画です。いつもスミマセンね...。大体新しい企画の構想とか、諸さんに相談に乗ってもらってる気がする。まあ今回は相談ではなくて対談ですが。

諸田(以下、諸):相談に乗ってるって言うか...(笑)...でも治面地って主催者でありながらすごく客観的にまうまうを見てるよね。私は君の提案にウキウキしてるってのが本音だけど。それにしてもこのページ構成は...。

:(笑)...パッと見て大体分かるでしょう?僕が何がやりたいかって。

:そのスジのオーソリティー達が何か「斬る!」ってヤツみたいですね。CGとかa+uとかに特集でよくある。...ちなみにa+uって建築雑誌なんだけど、知ったかぶりして言ってみただけです。何書いてあんだか全然わからん。ホントはオレって建築雑誌見る時は「主婦の友社」系ばっかり。「すてきなプロヴァンス」とか。ごめん、これは余談。

:僕って、TVやCM、PVのパクリとか好きなんですけど、この対談だってそうなんです。何かの真似っぽいかもしれませんが、やってしまえばちゃんとそれなりに見えません?前に少し話したかもしれないんですが、僕らがいつも「あー、スゲーなー」って見てる雑誌や映像、ほら、例えば立花ハジメと藤原ヒロシとか、坂本龍一とテイトウワとか。「〜系」というか、「らしい」人がやってる事を見て「あ〜いいなぁ、スゲェなあ」とか、思ったりするじゃないですか。でもそういうのって、単純に友達だったり、気が合う人がしゃべったり、何かを一緒に制作しているってだけなんですよね。要は内輪なんです。今の僕と諸さんみたいな。別に大したことしゃべってない事の方が多い。...もちろん、スゴイ人達だって知ってるから、大したことじゃなくても見たいんですが。(笑)

:そうだいね。最近ハヤリのコラボレーションとかってこんなノリだしね。でも〜系の中にも色の違いや温度差があって、それぞれの個性になってるよね。STUDIO VOICE*のマトリクス図みたいな。まぁ実際よくわからんが。余談だけど随分前のSV「カルト」特集に、杉作J太郎が「オナニー系」って分類されていたみたいなもんだね。...話がそれたけど、こういう対談って一種のブレインストーミングだから、わりと面白いものが生まれるかも。

:皆どこかに「自分が雑誌に取り上げられたらなあ」とか思っているでしょう?だったら自分でやってしまえばいい(笑)。僕、例えばダンス部の人ってスゴイ人多いと思うんですよ。実際にその業界ですごく活躍してますし。もっと簡単に言ってしまえば、ダンス部内ではその人がどういう人で何がスゴイのかは皆知ってる。で、それを例えばTVがうまく取り上げれば、ドキュメント番組の1本だって撮れるでしょうし、簡単に有名人にだってなれちゃう。つまり「有名人」とは誰かが作り上げているに過ぎない。ある人間を誰かが取り上げてメディアに乗せるという行為さえしてしまえば、傍観者である我々は「おお〜」と思ってしまう。

:なかなかバイオレンスな論旨・・・(笑)でも半ば中ってる*かもね。モー娘。だってそんな感じだよね。そこらにいそうな子もいるしね。ちなみにオレはなっちが好き。これも余談。実は言いたかった。オレぁなっちが一番だと思うんだけどのぅ....いや、そうじゃなくて(笑)要は対メディア戦略眼が透徹してるプロデューサーの力量に負う部分が多いってことですね。

:そうですそうです(笑)。ところが最近はそのメディアに「インターネット」というものが加わった。今までで言うと「ただ普通の一般人」であった人達が、自らが制作するHPによって「有名人」に成り得るようになってきたんです。それは、最初に言ったように、TVや雑誌などの他人に持ち上げてもらうのではなく、「自分でやっちゃった」って事ですよね。だったら、まうまうだってできるはず!内輪でも構わないんです。このダンス部の人間をまうまうで取り上げちまえ!....って魂胆なんですが(^^; どうでしょう?

:セルフプロデュース!(笑)

:まさに(笑)。でも要はこういうことかと。

いやぁ取り上げるべき人材は多いですよ、まうまうには。玉は光を当てて初めて輝く。一気にワールドワイドメディアデビュー!・・・・しかしここまでハナシを拡げておきながらやはりデビューの舞台はまうまうだけじゃねぇかってのがミソだよなぁ(笑)。美しいよね。徹頭徹尾テーマに外れていない。「内輪でも構わない!」・・・オレ達って一生マニアックなんだろうな。そんな自分がちょっぴり好きです。あとなっちも好き。(←しつこい)

:(^^;


必要なのは高い音楽性

:さて、今回は初回なんで前書きが多くなってしまいましたね。スミマセン。ここからは諸さんとのまさに対談ですよ。つまり、諸さんをスゴイ人として選んでいるわけです。よろしくお願いしますよ(笑)

:そう言われちゃうと、カタくなっちゃいますよ・・・、いえ、ちんちんのことじゃありませんよ。(←誰も言ってない)いやいや、こちらこそよろしくお願いします。

:最近どうです?(笑)例えばハマってる音楽とか、仕事の野望とか、世の中の事とか...。じゃあ、音楽からいきましょうか。

:そうだいなぁ・・・オレが最近聞いているのは有名処で*キリンジ・Ego wrappin'・クラムボン、あと鬼束ちひろとかですね。

:ああ、いいですねぇ(笑)。当然そこには*Paris MatchやOrange Pekoなども加わって来ると...。

:そうだいね。で、ゴンチチの「Standard」ってアルバムにEgo Wrappin'の中納良恵が一曲だけ参加してるんだけど、彼女の歌うテネシーワルツは絶品でしたね。ところでEgoのギターの彼の名前は「森雅樹」って言うんだけど、うちのガジュ君となんか似とるいね。雅寿くんだっけ?余談だけど。

:ええ、うちのガジュは雅寿ですが...確かに森雅樹もガジュって読めますね。(^^;; それはそうと、ゴンチチのテネシーワルツ。あれはイイですよね〜。ゴンチチの音と中納良恵のハーモニーがまさに絶妙。

諸:そう、あの人歌うまいよねぇ。スキャットは時々ハレツするけど。

治:(笑)

諸:音楽って趣味だから、人それぞれだと思うけど、こないだ友人達と音楽の話してたとき、音曲が好き、詞が好きってのがあって、人それぞれ、音楽それぞれの個人的な評価になるんだけど、どうもオレって曲ばっかり聞いてる人のようです。どうも詞がよくわからない。

治:ほうほう。

諸:鬼束が好きってったけど、あの人の詞なんてもう全然わかんない。なにか痛烈な訴えであったり、なにか赤裸々な告白ではあるのかもしれないけど、難しい言葉や表現の積み重ねでは、伝わんない。彼女の一番新しいアルバム聞いたけど、すごいよ、もう。日本語?って感じ。まぁ尤もオレにその感受性がないだけかも知れないけどね。それを措いても好きっていうのは、あのひとの歌なんだ。なにしろ丁寧に歌う。声量もわりとある方だと思うんですが、歌に混ざるブレシングも併せて、一音一息が実に丁寧なんですね。ただ丁寧で上手いだけじゃプロじゃないかもしれないけど、多分マイクなしのアンプラグドでも相当聞かせることができるんじゃないか。だから私はソングライターじゃなくてシンガーとしての彼女のファンなんです。

治:あー、そういうの何かわかるなぁ...。確かに鬼束ちひろは女性の詞って感じがして、僕もよく分かりませんが、濃い内容の歌詞でもサラッと歌い上げてしまうような透明感のある、しかししっかりとした存在感のある声がイイって思いますね。歌もうまいし声量もある。

諸:中納良恵もそんなとこで好きなんだよな。歌が超上手い!でもEgoも*色彩のブルースを始め日本語の曲のほうが圧倒的にいい。英語の曲が多いけど、発音に気をつかいすぎなのでしょうかオレには雑に聞こえてしまうんですがどうでしょう?

治:歌う時の思い入れというか気持ちの乗せ方が違うんでしょうか...。中納良恵にしても鬼束ちひろにしても綺麗な歌声の中に歌詞の想いが乗っている気がする。やはり、英語の曲はほんの少しかもしれないですけど「気持ちを乗せる」部分が「発音上手くしなきゃ」ってのに労力を奪われているのかもしれないですね。

諸:シンガーとして中納さんと鬼束さんは毛色が違うけど表現力はやっぱり中納さんのほうが今は上。鬼束がんばれ!えぇ、かなりファンなんだってば。まぁこれがオレの個人的な好き好きのきもちですね。

治:ファンだからこその気持ち....。分かりますよ(笑)

諸:でもさ、なんだかんだいっても、音ハズすのは絶対NGだよ。プロの歌手とは別だけどカラオケで友達が歌うB'zとかGRAY聞く時のあのキビしい感じあるじゃないですか。せめて叫びであるのならまだツッコミようがあるけど、詩と曲がマジな分キツい。むかしの朋ちゃん(カハラ)なんて、マジで奥歯が溶けると思った。アルミホイル噛んだことある?あぁぁぁ・・・(ブルブル)!

治:うわぁぁ〜、わかるわかるぅ〜!!(ブルブル)朋チャンは素だったと思いますが、僕は小室哲哉って絶対「女性高域音声(別名金切り声・しかもちょっと音ハズし)フェチ」だと思いますよ。GlobeのKEIKOなんてひどい(かわいそう)ですよね。(って結婚しましたが)...聴くに耐えない。しかも、あれに対しさらに小室は「うまく唄いすぎ」って言ったらしいですから恐ろしいものです。....すんません、アルミホイルで脱線しました。

諸:やっぱり芸術性うんぬんの前にアーティスト(技術者・職人)の技術に私は感動するけどなぁ。そこから優れたものが生まれるのでしょうね。治面地も音楽の幅広いけどそこんとこどうだろ?

治:まったく同感ですね。というか、まずアーティストとしてのプロ意識や高い基本レベルを感じて感動する...っていうのは「前提」のような気がします。そこからさらに何を享受するか、で好みが分かれたり、さらに高い技術に感動したり...。だからその前提がなってないとガッカリしちゃいますね。僕とか諸さんが似たようなアーティストに反応してしまうのは、そういう部分が大きいからのような気がします。皆、オリジナリティーの前に高い音楽性や技術を持ってますもんね...。歌声もそうですし、やはり曲(構成、演奏、音色等)がキチンとしていなければ...と思ってしまいます。

諸:そうだねぇ。私が曲よりの好みなのは、子供の時からインストばっか聞いてたからかも知れない。歌謡曲聞くようになったのって高校くらいからだもの。それまでは、またマニアの道に逸れるけど、*ゲームミュージックをカナリ真剣に聞いてました。これについては、あなたにも一家言二家言あるよね。オレはセガから入ったけど・・・

治:おお!遂にコアな世界へ突入...(嬉)!

 

 ....続く

 

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諸田勝春
Katsuharu MORODA

1973年群馬県生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒。住宅の営業、企画・設計を経て、2002年SeasonsHouse設立。現在は住宅設計だけではなく、店舗設計や3Dレンダリング、HP制作など幅広く活動中。多趣味な彼の持ち味を生かしたプレゼンは好評。

 

*STUDIO VOICE...株式会社インファスが発行する月刊誌。現在の定価は680円。Multi-Media Mix Magazineという名の通り、音楽・映画・写真・ファッション・文学・デザイン・ストリートカルチャー・精神世界・コンピューター・自然など、多岐にわたって深くカバーしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*キリンジ...俗物的で商業的な音楽が世の中に蔓延する中、高純度で良い音楽を創り 出す、堀込高樹・堀込泰行の二人による兄弟ポップデュオ。近所に居る兄ちゃんにしか見えないこの2人が描き出す音の世界は、ため息を誘うほどの美しさに満ちている。

 

*鬼束ちひろ...70年代アメリカのカウンターカルチャーの流れを受け継ぐシンガーソングライター。彼女は使命感を持って音楽メッセージを届け、そのメロディーは生々しく美しい。 

 

 

 

 

 

*色彩のブルース...2000年RD RECORDSより発売。ジャズブルースシンガー青江三奈を彷彿とさせる表題の名曲『色彩のブルース』はFM J-WAVEでも半ばヘビーローテーション状態となり話題殺到となる。 インディーズとは思えない程の大ブレイクを 果たした。 「リング」「カオス」等の作品を産み出した中田秀夫監督が日活ロマンポルノへのオマージュを 捧げた「サディスティック&マゾヒスティック」の主題歌にもなった。

 

 

 

*ゲームミュージック....ゲームミュージックというジャンルの誕生は、1984年当時YMOなどで活躍していた細野晴臣氏一般に「こんな音楽もあるよ」と紹介する意味で「ナムコ・ビデオゲームミュージック」を手掛けた事が始まりだと言われている。そこでは効果音をリズムにしたり..という細野氏ならではのセンスも光る。最近サイトロンよりCDで復刻された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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